■グリグリメソッド
グリグリメソッドとは?
グリグリメソッドはリールのハンドルを「グリグリッ・グリグリッ」と2回づつ巻き上げるところから、名付けられました。
通常のストップアンドゴーはロッドをあおってはリールを巻くというロッドアクションによるものですが、グリグリメソッドはロッドティップの位置を定位置から変えずにリールを巻き上げることによりルアーにアクションをつける、といったメソッドです。
前者ではロッドをあおった際にロッドのしなる分だけ引く力がロッドに吸収されてしまい、その分ルアーの動きが緩慢になってしまいます。後者ではリールで巻く速度と長さがダイレクトにルアーに伝達される為に、そのクイックリーでトリッキーな動きが魚にとってはたまらなく興味を示すプラスアルファの動きを演出することができます。
タックル
タックルは硬めのテイップアクションロッドを使用し、高速でリールの回転を急激にストップさせた際にも回転の遊びの無いスピニングリールを使用します。
ラインは水の中で見えにくくしなやかなものを選びスプールにいっぱいに巻きます。
私の場合は自分でこの釣の為に開発したUFMウエダの、ずばり「グリグリナナハン」というセミダブルハンドルのロッドを使用しています。
リールはカーディナルの44か5Xを使用し、ラインはブラウンかグリーン系で、つや消しの8ポンドを使用しています。
最近ではリールの性能やラインの強度も抜群に良くなっているので、リールはドラッグが繊細で適度なスプール径のモデルであれば特に問題はありません。ラインも強度のあるものなら飛距離を稼ぐために6ポンドに下げてもよいと思います。
使用するルアーは13cmフローティングミノーが基準です。
練習
初心者が練習するには市販の練習用キャスティングプラグ7gを使用することをお勧めします。まずプラグをセットしたら出来るだけ遠くへ正確に飛ばせるようにキャスティングの練習します。オーバーヘッドキャストでロッドのティップを体の正面から頭の真上を通るようにテイクバックし、ホワードキャストでティップを同じ軌道を通って元の位置に戻すようにスウィングし、スイングの方向が左右にぶれないように練習を繰り返します。
次に人差し指か中指でスプールのエッジを軽くサミングして飛距離を調整し、障害物の手前に静かに着水するように寸止めの練習をします。それが出来るようになったら15~30mほど離れた数箇所のポイントを定め(直径1メートル以内)距離が変わっても正確にプラグをプレゼントできるように練習します。
実際にルアーをキャストした時にはミノーがテールフックの方からダーツのように真っ直ぐな状態で飛ぶのが理想的です。もしルアーが回転してしまうようならルアーの垂らしを徐々に長くしながら真っ直ぐに飛ぶまで調整し、慣れたら短くても真っ直ぐに飛ばせるようにします。
リトリーブ
次に肝心なリトリーブですが、ロッドエンドをかるく脇に付けロッドのティップを水面に向け、巻き始めから巻き終りまでティップガイドの位置を変えることなくリールのハンドルをグリグリッ・グリグリグリッと1回から5回くらいまで出来るだけ早く巻く練習をします。基本的なリトリーブはグリグリッ・と2回巻いてポース・・・ミノーが水面にポカンと波紋を立てて浮いたと同時に再びグリグリッと2回巻き、これを繰り返します。
実際の釣ではルアーとその付近の水面の変化に注意しながら手元まで注意深くリトリーブを繰り返します。慣れてきたらリトリーブの速さや、巻く回数をアレンジして組み合わせ、その年、その時にあったよくチェイスしてくるリズムのパターンを掴むようにします。
※ミノーの速い動きで魚の興味をひかせる。
※ミノーに追いついてきたら魚に考える空きを与えないように捕まえられそうで捕まえられない小魚を演出する。
(魚が見失わない程度の距離まで素早くミノーを引き離し、止まっては逃げ、止まっては逃げる)
魚を焦らして釣るというこのメソッドはブラウン・イワナ・初期のスクールバスなど、フィッシュイーターには特に有効な釣り方ですが、ニジマスなどにも通用し、慣れてくるとルアーを追ってきた魚と駆引きをしながらヒットさせることも可能です。
船べりまで追ってきたブラウンを竿先で水面に8の字を書いて釣り上げたなどという話は何回となく聞く話です。
芦ノ湖でのこの釣は湖畔のサクラの咲き始める頃から、完全に散り終わる頃迄が盛期ですが、中禅寺湖をはじめ、国の内外の湖釣に通じるはずですので是非挑戦してみてください。
グリグリッ・・・ポーズ・・・グリグリッ・・です。