■ライズで魚を読む
朝一番、凪いでる湖面を見ると、水面のユスリカなどにマスたちが盛んにライズしている光景を良く見る事があります。
まだ薄暗いうちから風に漂いながらハッチしているユスリカやカゲロウをひたすら食べつづけているマスたちです。
やがて釣り人のボートなどを警戒したマスたちはその付近に沈みます。
そこで、あらかじめライズのあった位置やライズの筋を頭にインプットしておき、そこを攻めるようにすればやみくもにキャストをしつづけるよりはるかに能率よく魚の濃いポイントを攻めることが出来ます。
ちなみに、どんなマスも虫類を好んで捕食します。
ある時、そんな状況のなかで釣り上げた60cmクラスのニジマスの胃の内容物を見てみますと、大きな胃袋のなかに何万匹とも思われるユスリカがアミエビの佃煮のようにぎっしりと入っていたことがありました。
多分、あの大きなマスにとっては小さなユスリカが、私たち人間がキャビアをたべるように珍味だったに違いありません。
ライズは魚がなんらかの理由で水面に出てきた時の波紋で、石でも投げない限りその中心に魚がいたことは確かなのですが、それが何の魚かを見分けることは容易ではありません。
通常は春先、特に「3月中のライズは全てマスと思え」が私のセオリーだったのですが、近年の暖冬ではそうもいかないようで、既に三月末から鮒なども沖で跳ねだしているので間違えないようにしなければなりません。
必ずしも全部が当てはまるわけではありませんが、ニジマスは頭から水面に飛び出し頭から着水することが多く、ブラウンはまっすぐ飛び跳ねそのまま尾っぽから着水するのをよく見かけます。
ヒメマスは石切のように水面を狂ったように何度も横っ飛びしたものですが、最近ではそういう光景は見られなくなりました。
その他、鮒などは水面を平たい体でたたくのでペタンというような音がしますし、鯉などは体の痒みでも解消するかのように豪快に跳ねるかと思えば、ヌウッと水面に顔を出し、目をぎょろつかせながら自分の位置を確かめるような仕草もします。
また、他のフィールドではブラックバスがよく跳ねた話を聞きますが、芦ノ湖のブラックバスは餌の小魚を追い詰めた時以外はあまり跳ねないような気がします・・・。
通常、ルアー・フライでのマス狙いでは水面の餌を捕食する時に出来る プッ、プッ、といった感じのライズがベストで、それが複数出ていればなお最高で、その下に群れがいると思ってよいでしょう。大チャンスです!
魚を沈めてしまわないように、オーバーキャストせずに手前から狙っていくようにします。
ベテランの釣り師になると少々の風の中でも僅かな波の動きを見てライズの中心を見つけます。
また自分の後方で魚のジャンプ音を耳で察知し、すかさず大きなライズと小さなライズの延長戦に魚の位置を予測してキャストすると言ったような高度なこともします。
「ローマは一日にしてならず」ですが、実際にフィールドに出る回数を重ねて体験を積めばそんなに難しいことでもないと思います。